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「一つでも地雷が、被害に遭う人がなくなれば」カンボジア・スタディツアー高校生レポート:近藤礼奈(3/5)

2015/05/07近藤礼奈

五日目

お昼前にタサエンに到着。この村で地雷処理専門家として活動している高山良二さんが住んでいるNGO、IMCCDの宿舎へ。かなり緊張していたのですが、高山さんはとっても気さくな方で、良い意味で緊張が解れました。宿舎を見て回ると、お風呂ではなく水浴びでトイレも紙は使わず手動ウォシュレット。初めての経験に少し不安でしたが慣れたら楽なのだそう…。郷に入っては郷に従え、村での生活を存分に楽しもう!

午後は農村見学でKINSEIという着物を包む袋を作っている会社へ訪問させていただいたり、高山さんのお知り合いで農業をしている方のお家へお邪魔させていただきました。

お邪魔する前に高山さんからお話を伺ったのですが、地雷の被害に遭い、両足とも義足で生活している男性なのだそうです。実際にお会いすると笑顔がすてきな働き者といった印象でした。両足を無くしてもこうして笑顔で暮らせるのはどうしてだろう。その理由は奥さんが深く関係していました。地雷の被害に遭ったとき、耐えきれず、自らの手で命を絶とうとしたそうなのですが、その時、愛する奥さんの存在が、生きる希望になったといいます。愛する人が居たから今もこうして生きていられる。愛の力ってすごい。

みんなからのおねだり(?)で奥さんにキスをするおじいちゃん。奥さんも照れながら喜んでました。私もいつか結婚できたら…(笑)こんな夫婦になりたいと思いました。その後ココナッツをご馳走してくれることになり、大きなココナッツのなる木から目の前でココナッツを収穫してくれました。その姿はまさにココナッツおじさん!今ではみんな、ココナッツおじさんと呼んでいます。そんなココナッツおじさん夫婦と会って温かさや愛に触れることができました。

ココナッツおじさんとお別れをして向かったのは高山さんが宿舎で行っている日本語教室の生徒だったリンスレンちゃんのお家へ訪問。リンスレンちゃんは現在、高山さんのNGOの支援を受けて勉強のために日本の学校に通っているそうで会うことはできなかったのですが、この日、家にはリンスレンちゃんの弟さんと妹さんが居ました。お母さんは畑で仕事をしている最中で今は家に二人だけ。

「お姉ちゃんが日本へ勉強しに行ってることをどう思いますか?」という質問に弟は「寂しいけれど、日本で勉強させてもらえることにありがたいと思っています」と。彼の目はとても澄んでいて真っ直ぐで、何か力強いものを感じました。今でも忘れられません。リンスレンちゃんが日本で勉強していることはこの家族にとっては希望なのだと思います。

その後宿舎に戻り日本語学校を見学。リンスレンちゃんの弟くんも日本語教室に来ていました。生徒たちに自己紹介をしてもらいましたが、みんな日本語が上手。自己紹介が終わった後は生徒たちとひたすら走り回って遊んでいました。時間を忘れてはしゃぐはしゃぐ!その時ばかりは小学生の時に戻ったような気分でした。暗くなるまで遊んで、今日はさよなら。また会おうね。

夜はお楽しみのご飯!も、そうなのですが、人生初のハンモック!寝てみると寝心地は良い。ぐっすり眠れるぞー!と思っていたのですが、慣れない寝具だったからか、夜中に周りがびっくりして起きるほどうなされていたようです(笑)。同じ部屋だったメンバーの皆さん、すみませんでした…。次の日はいよいよ地雷除去見学です。

六日目

この日は地雷原である畑へ向かいました。防護服に身を包んだディマイナーさんたち、私も防護服を着させてもらいました。ヘルメットも防護服もとっても重たくて暑さも相まって歩くのが精一杯です。畑の奥へ進み地雷を処理する部分を見せてもらいました。そこに地雷が埋まっていますが、もちろん目には見えません。目には見えないから知らず知らず踏んでしまい被害に遭ってしまう。そんなものがまだたくさん残っているなんて信じられませんでした。

いよいよ地雷除去。私たちは道を引き返して安全な場所へ。サイレンが鳴って少しした後、ドンッ!と大きい音と共に黒い煙が見えました。あまりの衝撃に持っていたカメラのシャッターを切れませんでした。遠くにいてもこれだけの衝撃なのに実際に地雷を踏んでしまった人はどれだけのものだったのだろうか。上手く伝えられませんが、地雷の怖さを身に染みて感じました。一つでも地雷が、被害に遭う人がなくなればと思います。

地雷除去の後は、地雷除去の最中、不慮の事故により亡くなってしまったディマイナーさんたちのために建てられた慰霊塔へ行きました。黙祷を捧げ中に入ると1人1人の写真が並べられていました。地雷除去という作業は常に危険と隣り合わせ。亡くなられたディマイナーさんたち1人1人の意思を受け継いで高山さんたちは日々、地雷除去を行っています。

地雷除去見学を終え、宿舎へ戻り、ソラークマエ工場を見学。この工場では、もともと地雷原だった土地から地雷を除去し、そこにキャッサバを植えて収穫したキャッサバで焼酎を作っているそうです。地雷を除去した後も、そこで終わるのではなく、何かに役立てているのです。工場見学を終え、この日も日本語教室の生徒たちといっぱい汗をかきながら遊びました。生徒たちと過ごすのは今で最後。寂しいけれど、また会いに来るよと約束してお別れ。次に会いに行ったときはもっともっと日本語が上手になっているんだろうな~。私も負けないように頑張ってクメール語を習得するよ。

この日の夕食はみんなで焼肉パーティ。音楽をかけて踊ったり歌ったり走り回ったり…とにかく大盛り上がり!あまりにも楽しくて忘れられない夕食になりました。タサエンでの生活もこの日が最後です。

近藤礼奈

寝屋川高等学校2年生(参加当時)。2015年カンボジア・スタディツアーに高校生チャレンジ枠として参加。

近藤礼奈カンボジアレポート

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