「本当に人生が変わりました」カンボジア・スタディツアー高校生レポート:三浦優哉4

2014/04/11三浦優哉

8日目、この日は朝からどうしても吐き気がひどかったのでホテルで休んでいました。今から誰も知らない僕だけが経験したしょうもない一日について語っていきたいと思います。正直に言うと1日目からほとんど眠ることができていなかったので疲れがだんだんたまっているのが分かっていました。また日本では冬だったということもあり、あまり活発に運動をしたりすることがなかったので体力的にも限界でした。ここで訪問先で倒れたりした方がみんなに迷惑がかかってしまうと考え、行きたい気持ちやせっかくのチャンスを無駄にしてしまうという気持ちを閉じ込め休むことを決めました。

少し熱もあったのでまずは数時間寝ました。そしたらお昼頃に昼食をホテルの人が届けてくれました。さてここで問題が生じました。ホテルの人は親切にも僕に英語で話しかけてきました。ですが、全然わからない、学校ではまぁまぁ英語の成績は良かったのですが全く聞き取れないし、僕の言葉はまったく伝わっていないのでコミュニケーション自体が成り立っていませんでした。最終的には昼食代の値段だけは聞き取れたので払うと帰って行きました。これほど恥ずかしかったのはありません。

これで終わればよかったものの、さらに数時間後今度は医療関係者が来ました。その人は僕の症状を聞いてきましたが、全然表現ができない、そしてしゃべるのもしんどい、どうしようって感じでした。そしたら薬を出してきたので、中学生レベルの文章で「薬は持っているので結構です」と言えましたが、一度では全く伝わらなかったので何度も言うことになりました。何かいろいろその後も言っていましたが全く聞き取れませんでした。この時、「絶対に日本に帰国したら英語を完璧にできるようにする」と心に誓いました。

その後、少しみんなが帰ってくるまで時間があったのでこれまでの振り返りも兼ねて関東のツアー参加者に手紙を書きました。個性あふれるみんなに書きたいことを全部書いていると時間が足りなかったので一番伝えたいことだけを書きました。この手紙は最終日の飛行機の中で修正をしたりして届けてもらいました。関西の人はいつでも会えると言ってくれた人がいたのでそれを信じて書きませんでした。というより時間が足りなかっただけです。

そんなことをしているうちにみんなが帰ってきて晩御飯を食べにレストランに行きました。朝から何も食べることができなかったので少しお腹がすいていました。そしてこの日はツアーの人の誕生会をするということでしたからどうしても行きたかったのです。

9日目、前日の夜にまた体調を崩してしまったため、午前中は安静にしていました。といっても僕のホテルの部屋で大学生二人といろいろ話をしていました。受験の話や勉強の話、大学生活の話です。二人とも僕の話を真剣に聞いてくれたのですごくいい時間を過ごせました。

午後からはかものはしプロジェクトファクトリー(児童買春撲滅に取り組む日本のNPO法人)を訪問しました。ここではカンボジアの「いぐさ」を使った売り物を作っていました。ブックカバーやしおり、ティッシュのカバーや筆箱。ここで働いているのはほとんどが女性で、女性はどちらかというと男性に比べて仕事につきにくい環境にあります。

ここで行われているライフスキルを付けること以外に識字教室が行われているのがとても印象に残りました。それ以外にも見た目が10代に見える30代の人などがいるため栄養指導が、また、グループ別にトレーニングしている農業教育なども行われています。ここで働いている約130名の女性はカンボジアの中の最貧困層にあたる人々でその村の村長などの推薦が必要だったりします。ここで働いている人々はとても幸せそうな笑顔をしていました。

この色付けされたい草で製品を作っていく

10日目、午前中はクルクメール・ボタニカル工房を訪問しました。クルクメールとはクルー=医者、クメール=カンボジアという意味でカンボジアの伝統療法師のことを指します。ここでは主にいろいろなハーブの紹介を受けたり、足湯をしたり、自分でハーブを調合して入浴剤を作ったりしました。

午後からは8日目に本当はいくだったはずのアンコール・ワットに行きました。ここにきてやっとカンボジアの観光って感じがしました。もちろん行きしなはトゥクトゥクです。アンコール・ワットで驚いたのはその大きさと壁画のレリーフがすごくこってあったことです。大きさは後で調べてみると南北に1300m、東西に1500mあります。

その後タ・プロームというところに行きました。ここでは建物が自然の力によってつぶされていくところを目にすることができました。とにかく木がすごくて、木によって建物が壊されていました。大蛇にみえる木や血管のようにからまる木、塔に食い込む木や鳥の足状のようや木などたくさんがありました。最後にバイヨンに行きました。ここのすべての塔には四方向に顔があるという特徴がありました。

アンコール・ワット前で、メンバーの皆と

これが11日間のまとめです。簡単にまとめましたが、ここまで書いてきて思うのはやっぱり文章で表現するのはすごく難しいということです。たぶん僕が実際に自分の足でカンボジアに行って学んできたこと体験してきたことの10分の1も伝えることができていないと思います。たしかに僕の文章力がつたないのは認めますが、僕が言いたいのは実際に皆さんの足でカンボジアを訪れてください。絶対に世界観が変わります。大げさのように聞こえますが本当にこのスタディツアーで人生が変わりました。特に変わったのが自分の視点です。まだまだ受け止められずモヤモヤすることがありますが、そのモヤモヤすることができるのはツアーに参加できたからです。ここで得たすべてのこと、良いことも嫌なことも、嬉しかったことも悲しかったことも僕が感じることができたのはカンボジアに行けたからです。本当に感謝しています。

日本に帰ってきてからいろんな人に「カンボジアはどうだった?楽しかった?」と聞かれましたが、誰にも上手いこと答えることができませんでした。今、思うのは3つです。

1つ目に「楽しかった」です。カンボジアの人々をはじめ、ツアーの参加者と仲良くなれたのがとても嬉しかった。カンボジアにいるときに日本を恋しく思わなかったのはみんながいたからです。他にもたくさんのことを学び考える機会が与えられたのでとても楽しかったです。

2つ目に「自分の知識の少なさを感じた」です。カンボジアの知識については言うまでもありませんが、特に感じたのは自分の英語力のなさです。クメール語ができないのは仕方がないとしても世界共通語の英語、カンボジアでもクメール語を除く唯一のコミュニケーションができない自分がすごく恥ずかしかったです。自分の思いや考えを伝えるためにはやっぱり言葉が大切だということが改めて認識する機会となりました。

3つ目ですがこれがこの中で一番思ったことです。「自分の力の限界」です。貧困に苦しむ子どもをみて何もできない自分が腹立たしかったです。「そんなの高校生だから仕方ない」と思うかもしれませんが僕はそう思いません。高校生だったらほんとに力になることができないのか?これは日本でも思うことがありました。東日本大震災が起きた時、僕は中学生でしたがテレビで見る悲惨な現状を見るだけ、見ることだけしかできない自分のがすごくいやでした。それで今回のツアーでは高校生でもできる何かを探そうとずっと考えていました。

実際にカンボジアの人々を今救うことはできませんが僕ができることは2つ見つけることができました。1つ目に僕がカンボジアで学んできたことを人に伝えるということです。まだまだ、伝え方には問題があるので今から改善していかなくてはいけません。正直、難しいです。特に僕はとても感情的になりやすく熱が入りすぎてしまうという欠点もっています。ですが、伝えることで他の人にも考えてもらいたいと考えています。

2つ目は今しっかり勉強してしっかり夢をかなえ将来、今度は医者として行くことです。その時はもう高校生だからなんて言えないので、自分が思ったことをたくさんしたいと思います。高校生である僕はこれらのことしかできませんが医者の僕には沢山出来ることがあります。

カンボジアから帰ってきて自分の見てきたことを振り返っていくうちに、自分が将来したいことがたくさん見つかりました。医者になること、安田菜津紀さんみたいに高校生にカンボジアをはじめとする発展途上国に行くチャンスを与えたい、そして、教育格差にもかかわっていきたいと考えています。

なぜ、教育格差かというと僕は冒頭にも少し述べましたがCFCによって通信教育をすることができています。昔から塾や予備校に通いたかったのですが金銭的な事情のために行けませんでした。この時思ったのが教育はお金ごときで阻まれるのはすごく自分の将来の可能性を奪っているのではないかと思うようになりました。また僕は今チャンスをもらって勉学に励むことができていますが、たまたまカンボジアに生まれたがために、貧しい家に生まれたために自分の夢や将来の可能性が奪われている子供はチャンスさえ与えられていないのです。自分がいかに恵まれているかを知り、せっかくのチャンスを無駄にするかと思うことができました。またそんなチャンスを求める人々にきっかけを与えることができる人になりたいと思いました。だから発展途上国に行くチャンスを高校生に与えたいと思いました。

ツアーのある人と「高校生のうちからこういう社会体験をすることは大学生からやるよりも何倍も早くスタートが切れるので沢山したいことができる」と話していました。本当にそう思います。僕はこのツアーでたくさん貴重な体験ができたことよりもその経験が高校生のうちにできたことが嬉しいです。本当に人生が変わりました。

菜津紀さん、山地さんをはじめ、今回ご支援いただいたオリンパスさん、ツアーのみんな、そして快く了解してくれた家族に本当に感謝しています。ありがとうございました。

写真:安田菜津紀

三浦優哉

兵庫県立西宮甲山高校2年生(参加当時)。2014年春カンボジア・スタディツアーに高校生チャレンジ枠として参加。

三浦優哉カンボジアレポート

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