「自分の事は人に知られたくない」カンボジア・スタディツアー高校生レポート:大隅菜摘子1

2014/04/11大隅菜摘子

私は小さいころから人と話すのが好き、コミュニケーションをとるのが好きでした。でも、小学校のとき些細なことで友達と喧嘩していじめられたことがありました。その後、両親も離婚してしまい、人と仲良くなること、人と深くかかわることが怖くなりました。広く浅く。まあ適当に仲良くできればいいや。自分の事は人に知られたくない。こう思って人と接してきました。

私が前に住んでいた県の家の隣の隣にフィリピンパブがあり、フィリピン人のきれいなお姉さん達が私が学校から帰ってくるころに家の前にある公園のベンチに座っていて「hi baby! Come here! おかえり~!」と、言ってハグして、ここにおいで~とタガログ語で話しかけてくれて(私にはなんて言っているのかわからなかったのですが)膝の上に乗せてくれたりしました。毎日毎日声を掛けてくれ、一緒にお菓子を食べたり、遊んだりしてくれました。母は見ていて大丈夫かな?と冷や冷やしていたようですが、私はきれいで優しいお姉さんたちと話せるのが嬉しくて、母が思っていたことには全く気がつきませんでした。

ところがある日、いつも通り公園の前を通ってもお姉さんたちがいません。次の日も、その次の日もいませんでした。住んでいたところが小さなコミュニティーで噂はすぐに広がるようなところだったので、そのお姉さん達は「出稼ぎ」に来ていて、「国に帰らされた」という噂を聞きました。その頃から色々な国に興味を持つようになり、「なんでお姉さんたちは出稼ぎに来ているんだろう?」「家族はどうしているのかな?」と考えるようになりました。小学生の頃の話です。

私は幼稚園くらいの頃から水泳をやっていて、中学3年間、高校の今でも水泳部です。以前このスタディーツアーに参加した高校の部活のOGさんから、このスタディーツアーの高校生枠の話を聞きました。

もともと海外に興味があったので「これは行くしかない!いや、行く!!」と思い高校生枠に参加する条件であった課題、「カンボジアの貧困」について調べ始めました。その中でも調べていく内に気になったのは「人身売買」「人身取引」のことです。私が調べていて出てきた資料は少し古くてタイでの人身売買について書かれているものが多かったので、今のカンボジアでの現状がどうなっているのか気になりました。自分と同じ、自分よりも幼い子が人間以下の扱い、道具のような扱いを受けていると知ってものすごいショックを受けました。とにかく許せませんでした。

沢山の人とコミュニケーションをとり、打ち解けたかったのでクメール語をたくさん覚えました。

*「チュムリアップ スオ!」こんにちは!
*「クニョムチュモッホ ナツコ」私の名前はナツコです。
*「チュモッホ アヴァイ ダエ?」あなたのお名前は?
*「オークン」ありがとう
*「ミエンソンサー?」恋人はいますか?(この質問が一番うけました笑)
*「クマケナ~」恥ずかしい~
*「アユ ポンマーンチュナム?」何歳ですか?
*「クニョム ドップラム ムオイ チュナム」私は16歳です。
*「チュガニュ!」おいしい!
*「アニ アイケー?」これは何?
*「オスチャ―!」すごい!
*「オッテー」いいえ
*「チャー」はい

良く使った言葉です。現地の人が使っていて覚えた言葉もたくさんありました。

では、こんなところでカンボジアに行く前の話は終わりにして、出国から帰国まで11日間を書いていきたいと思います^^♪

1日目

夕方のカンボジアに到着!私は初海外でワクワクしていて空港に到着するなり周りをきょろきょろ。看板に書いてある言葉も、周りの人が話している言葉もすべて異なっていてとても新鮮だった。入国審査も話していることわかるな?と、終始ドキドキ…

無事に入国審査を終え空港の外に出ると、もわっとした空気に包まれた。蒸し暑い!真冬の日本から夏のカンボジアはなんだか変な感じがした。その時空港には、政府の偉い人が来る予定だったようで軍の人が沢山いた。日本と違って軍がある、なんだかこわいなぁ、こんなことを考えてやっぱり周りをきょろきょろしていた。

ホテルに向かう途中、帰宅ラッシュに巻き込まれ、先にレストラン「khmer Surin」へ。レストランに行くまでにずっとラッシュ中の道路を見ていた。バイクに4人一緒に乗っていたり、13、14歳の子が普通に運転していたり、反対車線を堂々と通っていたり、事故になるんじゃないかという運転をしている人が沢山いた。そういう運転、バイクに乗っている子どもを見るたびにハラハラ、ドキドキした。外の景色も日本とは全く違っていて、いかに自分が恵まれた環境にあるのかがわかった。

そこで一つ疑問が生まれた。こんなに恵まれた国の日本から来た自分をカンボジアの人は受け入れてくれるのだろうか?ひょっとしたら嫌われているんじゃないか?そんなことを考えている間にレストランに到着!

レストランに入り二階の私たちの席へ行くと、階段を上がってすぐのところにカンボジアの伝統の楽器、洋琴「クム」と胡弓「トロー」を引くお爺ちゃんがいた。横を通る時、手を合わせチュムリアップスオ~と挨拶してみると、お爺ちゃんもチュムリアップスオ~と返してくれ、言葉が通じたんだ!と、実感して嬉しかった。みんなで話しながらご飯を食べ自分の事について話した。私は自分の事を話すのに少し抵抗があったけれど、みんなの話を聞くうちに自然と自分も話していた。

デザートも平らげお腹いっぱいになったな~!というところで、仲良くなったNちゃんが「さっきのお爺ちゃんのところに行こう!」というので私もついて行った。お爺ちゃんはにこにこ笑いながら手招きをしてきて、なんだろうね?とNちゃんと話しながら行くと、「座って、ここに座って」とジェスチャーで伝わってきた。そして横に座るとクムのバチを渡してくれて弾かせてくれるという。

まったく弾き方がわからなかったけれど、お爺ちゃんが、こうしてああして、と言葉はわからなかったけれど弾き方を教えてくれた。言葉が話せなくてすごくもどかしかったけれど、こういう風に相手も自分も伝えようとすれば伝わるんだ、わかるんだ、と感じた。私がクムを弾いている横でお爺ちゃんがトローを弾いていて、二人で弾くことができてすごく温かい気持ちになった。お爺ちゃんは終始ニコニコしていて弾き終わった後「オークン」といってバチを返すとお爺ちゃんも「オークン」と笑顔だった。

帰り道、独立記念塔の横を通りホテルに着いた。初めての事ばかりで緊張しっぱなしであっという間にカンボジアへ来てからの1日目が終わってしまった。

写真:安田菜津紀

大隅菜摘子

東京都立千早高校1年生(参加当時)。2014年春カンボジア・スタディツアーに高校生チャレンジ枠として参加。

大隅菜摘子カンボジアレポート

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