「シャッターを切るのに大きな戸惑いと抵抗を感じました。この時に感じた思いは絶対に忘れません」高校生・東北スタディツアー参加報告 坂田果穂

2014/10/17坂田果穂(佐賀県)

私は、一年と半年の間『83プロジェクト』に携わり東北に対する支援活動を行ってきました。しかし、東北に訪れたことは震災以前も以降もありませんでした。そのうえ83の主な支援先が宮城県だったため、特に岩手県の陸前高田市に対する知識はほとんどありませんでした。そんな中、なぜ行きたいと思ったかというと「知りたい」という思いがあったからです。知りたいといっても漠然としすぎているのですが、行って見てみたい、学びたいという気持ちはとても強かったです。そして、仮設住宅に住まれている方や現地の方の声・表情・雰囲気を感じたかったからです。

そして実際に陸前高田で学び、人と触れ合い、関われることができたので今回のスタディーツアーは本当にいい経験になりました。これからは『知る・学ぶ』から『伝える』に焦点を当てて活動していきたいと思います。それでは今回陸前高田で学び特に印象に残ったことについて述べたいと思います。

まず、防災についての取り組みについて学んだことについて。陸前高田に入るとすぐに白い大きな橋のようなものが見えてきました。それは、土地のかさ上げ用の山から切り崩してきた土をかさ上げ予定地の市街地へ運ぶためのベルトコンベアーでした。この事業で、土を運ぶ時間が大幅に短縮されることにより復興の復旧作業が早く進めることが可能となります。また、この吊り橋のように見えるベルトコンベアーは「希望の架け橋」とも呼ばれています。

ただ、この復旧作業と呼ばれる類のものは環境調査などを行わずに作業を進めることができるそうです。正直、私はこれでは意味がないのではないかと思っています。山の土を薬品で固め、新しい市街地の土地となるのです。安田さんもツアー中に何度もおっしゃられていましたが、人間が大地を作り上げることは不可能だと思います。いつかまた『想定外だ』と言われ続ける日がくるのではないかと思うと本当に怖いです。また同じようなことを繰り返すのでは、このように私たちが被災地を訪れたり、防災についても学ぶ意味がないと思います。

次に自然災害が起こってしまったときに被害を最小に抑えるために、犠牲者を出さないようにするために東日本大震災で起きたことをしっかりと学び得た教訓を全国に広め継承されていくべきだとおもいます。米崎小学校仮設住宅の佐藤さん・語り部の釘子さんからお話いただいたことをしっかりと地元や全国のみなさんに伝えるパイプとなりたいです。

この橋の近くには、有名な「奇跡の一本松」があります。初日のミーティングで安田さんから、いままで松原と暮らしてきた東北の人達から見た一本松と私たちのような震災を機に松原や一本松を知った人達の二つの立場から見た一本松の話をしていただいた時に、ズキリと心が痛みました。このように私たちが深く考えずに発言したり行動することによってもしかしたら東北の方々を傷つけることをしてしまっていたのではないかと思ったからです。私は、震災前の東北を知らないし被災もしていません。ですので、どんなに寄り添い気持ちを理解したいと思っていても完全にはわからないと思います。その中でも、私たちなりに考え想いを持ち行動することに意味があると思います。

それから、私が一番忘れられない瞬間は一番初めにカメラに収めた防災対策庁舎(宮城県南三陸町)の前での出来事でした。この庁舎では、たくさんの人に避難を呼びかけ続け津波の犠牲になった町職員さんのことを思うと、今思い出しても表現の仕方がわからない感情が私の足のつま先から頭のてっぺんまで駆け巡りました。それと同時にあふれてくる涙をこらえながら一歩ずつ庁舎に近づき手を合わせ復興への思いを捧げました。オリンパスさんから支給されたカメラで撮ることもこのツアーの目的だったと思いますが、この時はシャッターを切るのに大きな戸惑いと抵抗を感じました。この時に感じた思いは絶対に忘れません。これから活動していく中でもこの時の気持ちを大切に心に留めておきます。

今回のツアーで実際に東北の地を訪れ、たくさんの人の思いを知り、東北で行われてる『忘れない・継承していく』ための活動を学ばせていただいたり、たくさんの海の幸を堪能することができました。初めて食べた牡蠣の味は今でも忘れられません。

そして最後に、今回お世話になったたくさんの方々に感謝します。そして一緒に陸前高田を回った安田さん、全国の高校生の仲間たちへ、私も佐賀からみんなのこと応援してます。だから、みんなも私のことを応援してほしいです。ともに高めあっていける一生モノの忘れられない仲間たち。私たちはこれからの日本や復興、地元に大きく貢献できると思う。みんなそれぞれの地で頑張ろう。

写真展「高校生が見た陸前高田」の情報はこちら

高校生東北レポート2014

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