「これは絶対に自分が発信しなければならないんだ」高校生・東北スタディツアー参加報告 潮田朱音

2014/10/17潮田朱音(埼玉県)

今でも私は東日本大震災のことを考えると、暗闇に独りでいることに恐怖を感じます。

2011年3月11日、テレビの中からは夢だと思いたいぐらい、悲惨な光景が流れていました。津波に流されないように電信柱に掴まっている人。水に流されている車から出て車の上に乗り、どこかに逃げようとしている人。炎を上げる海。

私はテレビの前でみているだけでとても痛々しく感じました。これが本当に、今現在日本で起こっていることだとは思えませんでした。それくらい、衝撃的で、恐怖を感じました。1日、2日、と経ち、屋上にいる人たちが救助されていきました。その一方で避難所の前で家族を探す人を、テレビは多く映すようになりました。家族がいない、と泣き崩れる人がたくさんいました。

私はどうしてこんなことが起きてしまったんだろう?どうにかしてもう少し被害を少なくすることはできなかったのか?と、考えるようになりました。

しばらくすると、福島の原発事故の問題が起こりました。そうすると、メディアは原発事故をクローズアップするようになりました。どんどんと、被災地に住んでいる方々の被害状況や、避難生活を知る機会が減りました。

私は東日本大震災のために何かしたい!!と、思いました。けれど、たかが中学生。ボランティアをするにも限界がありました。私には募金しか復興に向けて動くことができませんでした。そうして2年が過ぎました。

すっかり震災のことを忘れ、元通りの生活を送っていました。すると、顧問の先生からこのスタディーツアーのことを聞きました。あの時何も出来なかった自分の代わりに何か今からでもできないか、そんな思いも込めて、このツアーに応募しました。参加が決まった時はすごく嬉しかったです。

1日目

仙台に到着。バス移動。バスの中で他己紹介。どんな人たちが来るんだろ、と不安だったけど、みんなすごくおもしろい人たちばかりだったのでほっとしました。

米崎小学校仮設住宅に到着。かき氷を作って、子供たちにあげる、ということは人見知りの私にはつらいことだったのでずっと緊張していました。しかし、実際に会って話してみるとみんないい人たちで、笑顔がとてもイキイキ、キラキラしていて、東日本大震災で止まったままだった、私の東北の印象はぬりかえられました。でも、あんなにひどいことが自分の身にいきなり降りかかってきて、今も不確かな生活をしているのになんでこんなに真っ直ぐな目で笑っていられるのだろう、と不思議に思いました。今の自分にはできないことだと思います。

次に佐藤一男さんのお話を聞かせてもらいました。私が佐藤さんのお話を聞かせてもらって、1番印象に残ったのは、「まず、第一に自分が助かってほしい」という言葉です。

震災が起きた時、多くの消防団の方や多くの消防士の方が、命を投げうって住民を助けようとして亡くなったそうです。そんなことはもう2度とおきてほしくない、自分の命は自分で守ることが大切、そのためにも自分で多くの知識を身につけ、警告に敏感になり、避難所を信用しないこと、この東日本大震災から学んで、自分が住んでいる場所に置き換えて危機感をもってほしい、ともおっしゃっていました。私はこの東日本で起こったことを他人ごとのように思っていたのかもしれない、と思いました。避難所の備蓄のことなど考えたことがなかったからです。

佐藤さんはこんな高校生に本気で被災のことを話してくださって、これは絶対に自分が発信しなければならないんだ、と強い覚悟が生まれました。

2日目

語り部さんのお話。語り部さんのお話はとても為になりました。避難所の構造のお話だったり、今の被災地の様子などを詳しく教えて頂きました。「避難所に興味を持つ」ということが、どれほど重要なことかわかりました。このたくさんの草が生えている場所が、どれほどの人に悲しみや、悔しさを与えるのかを考えると涙が溢れてきました。過去のことを忘れずに、この惨劇を伝えられる人になりたいです。

次に岡本翔馬さんから桜ライン311のお話を聞かせていただきました。「次の世代にどう残すか」を第一に考えていて、「どうしたら子供たちが忘れずにみてくれるか」を大切に思っているんだと、すごく伝わってきました。私もこの計画に参加したい、と思いました。また、この東日本の方々の災害に対する強い想いや、桜の重要性も次の世代に伝わって欲しい、と思いました。

次に漁師体験をさせて頂きました。初めて乗った漁船は、とても力強く進んでいて、海に出る漁師の気持ちが分かった気がしました。海の上から陸前高田市を見ると、空っぽの建物や切り崩された山がとても大きく見えてなんだか虚しくなりました。

船から降りて佐々木学さんのお話を聞かせていただきました。伝統を受け継いで牡蠣を育て、岩手の海の復興の証としよう、とまた海に戻ることは心からかっこいい、と思いました。また、牡蠣も頂きました。すごく美味しかったです。これからも美味しい牡蠣を作り続けて、日本中を笑顔にしてもらいたいです。

3日目

気仙中学校に行きました。本当に学校の中が空っぽで、何も考えられなくなりました。まだ学校の中に木が残っていたり、震災の残骸が残っていて本当にここで起こってしまったんだな、と痛感しました。

また、移動中のバスの中から見える景色は、山を切り崩して住宅地に変える途中でした。それはこれから住むために必要なことだとは分かっているけれど、せっかくの自然がどんどんなくなってしまうことに、少しの寂しさを感じました。

こうして3日間があっという間に過ぎてしまいました。

この、東北スタディーツアーに行かせていただいてたくさんのことを学びました。私たちが1番やらなければならないことは、この震災のことを忘れずに、次の世代に繋げていくことです。そのために、日々どうすれば過去を未来に繋げることが出来るのが、考えて発信することが重要なことだと思いました。また被災した人たちはみんな辛いと思うのに自分たちの未来のことより日本の未来のことを先に考えていて、どうしたら、そんなに強い人になれるのか、疑問です。でも、自分もそんな強い人でありたい。と思います。

この東北のツアーは私にとって大変有意義なものになりました。ありがとうございました。これからも、未来のために自分は何ができるのか考え、発信し、伝えることをしていきたいです。

写真展「高校生が見た陸前高田」の情報はこちら

高校生東北レポート2014

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